月20ドルをAPIで使うと何トークン使えるか|定額プランと従量課金の分かれ目を計算した

この記事の要点

  • 同じ月20ドルでも、使えるトークン数はモデルによって200倍ちがう
  • GPT-5.5 は200万トークン、Qwen3.7 Flash は4億トークン
  • 定額プランが得かどうかは、その金額で買えるトークン数を上回って使うかで決まる
  • 単価の高いモデルほど、定額プランの相対的な価値が大きくなる

「定額プランと従量課金、どちらが得か」はよく話題になりますが、判断の土台になる数字が示されていることは少ないと思います。

必要なのは単純な計算です。その金額をAPIの従量課金に使ったら、何トークン処理できるのか。 それを超えて使うなら定額プランが得で、超えないなら従量課金のほうが安い。手元の単価データから、この分岐点を計算しました。

計算の前提

  • データ取得日: 2026年8月3日
  • 取得元: OpenRouterの公開API(/api/v1/models
  • 想定する使い方: 入力と出力の比率を 4:1 とする(対話やコーディング支援での実務的な比率)
  • 金額は 月20ドル(多くのサービスの標準的な個人向け価格帯)
  • トークン数は入力と出力の合計

なお、この記事は特定の定額プランの価格には触れません。 プラン内容は提供元ごとに条件が異なり、当サイトでは検証していないためです。ここで出すのは「20ドルぶんの従量課金で何ができるか」という基準線だけです。ご自身が検討中のプラン価格に置き換えてお使いください。

結果

モデル入力 /1M出力 /1M月20ドルで使えるトークン
OpenAI: GPT-5.5$5$302.0M
Anthropic: Claude Opus 4.7$5$252.2M
Anthropic: Claude Sonnet 4.6$3$153.7M
Google: Gemini 3.6 Flash$1.5$7.57.4M
Anthropic: Claude Haiku 4.5$1$511.1M
DeepSeek: DeepSeek V4 Pro$0.435$0.8738.3M
Qwen: Qwen3.7 Flash$0.03$0.13400.0M

同じ20ドルで、GPT-5.5 なら200万トークン、Qwen3.7 Flash なら4億トークン。その差は200倍です。

この数字をどう読むか

日本語はおおむね1文字あたり1トークン前後です。文庫本1冊が約10万字なので、100万トークンは文庫本10冊ぶんにあたります。

モデル月20ドルの分量(文庫本換算)
GPT-5.5約20冊
Claude Sonnet 4.6約37冊
Claude Haiku 4.5約111冊
Qwen3.7 Flash約4,000冊

ここから、判断の目安が出ます。

フラッグシップを日常的に使うなら、定額プランのほうが得になりやすい。 GPT-5.5 や Claude Opus 4.7 では、20ドルぶんが200万トークン程度しかありません。毎日コーディング支援に使えば、この量は数日で使い切ります。

逆に、安いモデルで足りる用途なら従量課金が有利です。 Qwen3.7 Flash で4億トークンを使い切るのは、個人ではまず不可能な量です。

つまり、定額プランの価値は「高いモデルを使いたい」場合に集中します。 用途が分類・抽出・要約のように軽いなら、従量課金で桁違いに安く済みます。

100万トークンあたりの実費

判断しやすいよう、入力100万トークンぶんの円換算も置いておきます。

モデル入力100万トークン
OpenAI: GPT-5.5約801円
Anthropic: Claude Opus 4.7約801円
Anthropic: Claude Sonnet 4.6約481円
Google: Gemini 3.6 Flash約240円
Anthropic: Claude Haiku 4.5約160円
DeepSeek: DeepSeek V4 Pro約70円
Qwen: Qwen3.7 Flash約5円

この試算の限界

  • 1リクエストあたりの入力が長いと、単価が変わるモデルがあります。 手元の326モデルのうち41件は入力トークン数に応じて単価が上がる段階料金です。 上の表では Qwen3.7 Flash(32,000以上で$0.10、256,000以上で$0.20)と GPT-5.5(272,000以上で$10)が該当します。 1回あたりの入力が短ければ表示単価どおりですが、長い資料を毎回投げる使い方では 実際に使えるトークン数はこの表より少なくなります。 詳しくは100万トークン対応77件の実費をご覧ください。
  • 入力と出力の比率は4:1と仮定しています。 長文を要約する用途なら入力に、記事やコードを生成する用途なら出力に偏ります。出力単価は入力の5〜8倍のモデルが多いため、生成が多いほど使えるトークンは減ります。
  • キャッシュを考慮していません。 同じ前置きを繰り返し送る使い方なら、キャッシュ割引(中央値85%引き)でこの数字は大きく変わります。
  • 定額プランのレート制限や機能差を考慮していません。 プランには利用上限や専用機能が付くことがあり、トークン単価だけでは比較しきれません。
  • 性能を測っていません。 安いモデルが同じ仕事をこなせるかは別の問題です。単価が1/10でも必要な試行回数が3倍になれば、実際の差は縮まります。

結論

  • 月20ドルで使えるトークン数は、モデルによって200倍ちがう(GPT-5.5 で2.0M、Qwen3.7 Flash で400M)
  • 定額プランが得かどうかは、その金額で買えるトークン数を超えて使うかだけで決まる
  • フラッグシップを日常的に使うなら定額プランが有利、軽い用途なら従量課金が桁違いに安い
  • 比率・キャッシュ・レート制限で数字は動くので、上の表は出発点として使ってください

各モデルの最新単価はAI料金比較表で毎日更新しています。

円換算は取得時点の参照レートによる概算です。料金は頻繁に変わるため、契約前には各提供元の公式ページでご確認ください。

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